ReMix②

今回からはRemixの本戦である無差別級トーナメントについて説明したい。

そもそもこの大会は女子の総合格闘技大会であるが(寝技20秒なのがミソ、なので総合格闘技とは言い切れない)、実は初の女子の大会ではない。

日本での初の女子の大会は神取忍・風間ルミ・ハーレー斉藤らを擁するプロレス団体「LLPW」が主催した「L-1」であり、1995年の旗揚戦にはFMWにも参戦していた柔道家グンダレンコ・スベトラーナが参戦している。L-1は計3度開催される。

今でこそ、RIZINでRENA・山本美憂・浅倉カンナ・浜崎朱加らが活躍し、SMACK GIRLの後継団体であるJEWELSの運営体制を引き継いだDEEP JEWELがあるなど、日本の女子総合格闘技はひとつの業界として定着はした。1995年というとグレイシーショックでまだまだ日本の格闘技は暗中模索の状態で、そんな年に世界初の女子総合格闘技としてL-1が生まれた。

そのL-1の2番目の大会として、このRemixは旗揚げする。旗揚げの代表は篠泰樹氏で、氏はもともとファミコン通信(現・ファミ通)の編集にゲーマーとして関わり、のちにプロレス団体NEOやDDTのプロデュースに携わっている。

では、無差別級トーナメントについて語りたい。

第1試合は石原美和子vsベッキー・レビー(アメリカ)。

まず、石原美和子は禅道会所属の空手家。禅道会は元々東孝塾長の大道塾の長野県下の支部がまるまる全て抜けて1999年に設立された団体で、代表は小沢隆塾長。なので、石原美和子は元々大道塾の選手であり、96年には修斗初のアマチュア女子トーナメント優勝、97年大道塾開催のTHE WARS Ⅳで高橋洋子と対戦したという経歴を持つ。

続いて、ベッキー・レビー。サブミッションレスリング選手のフレコミでダン・スバーンの弟子として登場。182cm、95kgと女子にしてはかなりの巨漢。ボクシング、柔道、円盤投げなどのキャリアがあるそう。なおダン・スバーンは言わずもがな知れたレスラーで、UFC4にてアンソニー・マシアスに見事なジャーマン・スープレックスなどを繰り出したが、その試合の数週間後に来日しIWAにてプロレスもしているというかなりのタフガイ(プロレスはUWFインターナショナルにも参戦している)。話はベッキー・レビーに戻すと、彼女は初来日という訳ではなく、96年開催の「U-JAPAN」(UFCとは無関係)に参戦、奇しくも高橋洋子と対戦している。

試合開始。石原美和子とベッキー・レビーともに打撃勝負でバチバチの殴り合いをする。

両者とも「寝てもあまり意味がない」と熟知してか終始スタンドに徹する。クリンチか殴りあいの攻防が続く。パンチ・クリンチの応酬で1Rが終了する。

そして、2R開始。

2Rも殴り合うふたり。ここも大きな変化がなくフルラウンドを戦い抜き2R終了。

判定決着となる。ほぼ互角の戦いに見えたが、パンチに加えてクリンチからのテンカオなど手数の多さが評価されてかレビーの判定勝利(3-0)。腰タオルの状態でセコンドを務めたダン・スバーンも拍手。

なお、ジャッジは総合でおなじみの岡林章氏(湘南格闘クラブ代表)・橋本友彦(プロレスラー、総合格闘家)・故木村浩一郎氏(プロレスラー、総合格闘家)の3名。

これにてベッキー・レビーが準決勝進出。大柄なレビー相手に戦い抜いた石原美和子もすごかったと思う。女子の恐ろしさというか意地というか執念的なものを感じた試合だった。

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